ああ、そこ。……懐かしいものが並んでいますね。
昔、この棚の前で足を止めたまま動けなくなった方がいましてね。真面目で、身なりのきちんとした方でした。最初は「自分は暗示になどかからない」と、それはもう立派に仰っていた。ですから私、『
【催○音声】悪の組織の双子女幹部による脳イジリ裏切り洗脳射精』を差し出したのです。捕らえられた戦隊のリーダーが、左右の耳から同時に暗示を注ぎ込まれて、無様な返事を仕込まれて、嗤われながら雑魚戦闘員に作り替えられていく話。ふふ、翌朝にはその返事を口の中で練習していましたよ。誰にも命じられていないのに。
止めを刺したのは『
【10周年記念作品】脳イキトリップ電波☆LIVE』でした。合いの手が絶頂の合図に化けている、あれ。「カワイイには勝てない」と囁かれ続けて、そのうち曲を思い出しただけで膝が笑うようになった。かわいそうに、とは思いません。よく育ちましたね、とだけ。
この棚のものは大抵、耳から忍び込んできます。そして暗示ひとつで済んだ例を、私は見たことがない。掛かった先には必ず躾が続くのですから。……疑っている顔ですね。疑えるうちが可愛いのですよ。今夜、貴方にはどれを渡しましょうね。決めるのは私ですけれど。