一つ言っておきたいことがありましてね。貴方たち、この棚を「かわいい方の」性癖だと思っているでしょう。もっと重たいものに比べれば笑って済ませられる、健全な部類だと。——その顔が、一番よくないのですよ。
ごらんなさい、この棚には拘束の札がやたらと重なって並んでいる。当たり前でしょう。逃げられる指先など、くすぐりとは呼びません。『
男性プライド矯正執行官~くすぐり矯正処分執行記録~』などは実に正直な一冊で、生意気な男を縛りつけ、足裏から首筋まで丁寧に処理していく。最後まで挿れてもらえないところまで含めて、あれは矯正なのですよ。笑い声というものは、悲鳴と違って自分の意思では止められない。貴方の心がどれだけ嫌がろうと、体だけが勝手に楽しそうに鳴き続ける。あれほど惨めな音を、私は他に知りません。
『
うしろの席のあいつ』の彼が、日頃ちょっかいをかけてくる同級生二人に下着姿でくすぐり倒され、勃起を見つけられて弱みを握られる——貴方はあれを、自分とは違う人種の話のような顔で読んでいましたね。いいえ。貴方も同じところで笑い出します。今夜それを確かめてさしあげますから、逃げる支度だけはしておきなさい。無駄ですけれど。