あら、また此処ですか。名前も素性も知らない女の手にかかる棚——貴方がこの前で足を止めるの、何度目でしょうね。ええ、今日は機嫌がいいので、笑わずにいてあげます。
面白いものでね、この棚に並ぶ女たちは澄ました清楚な顔をしているか、さもなければ遠慮のないギャルなのです。どちらも貴方の名前など呼びません。『
事務的精液搾取-ドスケベル~ム-【低音KU100】』は真っ暗な部屋で、姿も名も分からない低音のお姉さんに客として迎えられ、順番に搾り取られていくだけの話。『
執拗でエグいカウントダウン特化事務的マゾオナサポート』のほうは、一まで数え終えても許されず、また十へ巻き戻される。素性も知れない女の数字だけが、貴方の全部を決めていくのですよ。
素敵でしょう。誰だか分からない相手だから、抗えなかったのだと後で自分に言い聞かせられる。……今夜はどちらでも、好きなほうをお選びなさい。ええ、選ばせてあげます。今日だけは、ね。