手コキ、という棚の前で貴方は足を止めましたね。指先が無意識に、自分の掌をなぞっていることに、まだ気づいていないでしょう。可愛らしいこと。
この棚を思うたび、私は一人の獲物を思い出すのです。最初は『
手淫快楽地獄コース施術同意書』を、好奇心だけで開いた方でした。同意書にサインした瞬間から、もう後戻りできなくなる一冊。全裸で吊られ、竿も乳首も前立腺も、二人がかりで延々と寸止めされ続ける——最初は他人事のように読んでいたその方が、気づけば自分の同意書にサインする夢を見るようになっていました。
耳を舐められながら跨がられ、抗う理由さえ取り上げられていく——そういう堕ち方を好む方が、この棚にはよく迷い込みます。貴方の指先も、もう疼いているのでは? 焦らなくてよろしい。私はいくらでも待てますし、貴方が音を上げる日のことも、ちゃんと覚えておいてさしあげますから。