貴方に、前々から言っておきたいことがございました。苦痛でも、屈辱でもなく――快楽だけで堕ちた獣は、言い訳を持たない。鎖で縛られたわけでも、脅されたわけでもないのに、気づけば目を♡にして尻尾を振っている。それを恥じることすらできず、幸福だと思い込んでいる。哀れで、けれど誰より正直な姿ですよ。
『
♡墜ちたら負け♡サキュバスアイドルのガチ恋洗脳~フェロモンMAX密着嘘媚び枕営業~』の棚を眺めるたび、私は笑ってしまう。媚びる声に一つずつ常識を書き換えられていく男の顔を、貴方はきっと自分に重ねているでしょう。あるいは『
邂逅-KAIKOU-』のあの少年――拷問される覚悟で敵地に囚われたはずが、待っていたのは痛みではなく底なしの快楽で、心のほうから先に降参してしまう。
貴方も同じ。抗う理由を探すふりをして、本当はとうに、堕ちる支度を終えているのでしょう? ならば私が、その最後の言い訳ごと奪って差し上げましょう。