あら、足を止めましたね。……お引き取りなさい、とは申しません。ただ、この棚は貴方が思っているより少しばかり深いのですよ。並んでいるものの多くは耳から入る声。指一本動かさずに、貴方の乳首と、その奥の前立腺という場所だけを的確に狙ってくる類のもの。ええ、貴方が自分では触れないふりをしているあたりです。もう気づいているでしょう。
たとえば『
女の子にしてあげる♡』。あれは乱暴なことを何ひとつしません。本番も、立場の逆転もなし。優しい手つきのまま、逃げ道だけを静かに塞いで、女の子のイき方を覚え込ませてしまう。……ですが貴方には、まだ早いでしょうね。もっと手前でよろしい。『
乳首マゾになる為の負け癖強○倶楽部』——ホテルの一室で、メトロノームに合わせて乳首を触るだけ。ただそれだけの作品で、負ける癖がつきます。
ふふ、その顔。今「それくらいなら」と思いましたね。……いいのですよ、思っていらして。怖がらなくていい、私が見ていますから。まだ早いと言われた棚の前から動けなくなった獲物を、私は何度も見てきました。今夜、貴方の指がどこへ向かうのかも、もう知っていますしね。