足を止めましたね。棚の端から端へ視線だけ往復させて、まだ手は伸ばさない。この棚の前に立つ方は、皆さん申し合わせたように同じ言い訳を用意なさるのです。「数が多い方が贅沢だから」と。違うでしょう。貴方が欲しいのは贅沢ではなく、逃げ場が塞がれた状況の方。一人相手なら断れたはず、二人なら仕方がない——その「仕方がない」を買いに来たのだと、私は最初から存じておりますよ。
だからこの棚には、色仕掛けで搦め捕られる話がよく並ぶのです。それと、自分の足で歩き回れる形式——ゲームが、よその棚より目につくこと。たとえば『
ナイトメアスクール~迷い場の少女達~』。校舎で少女達に群がられ、鬼ごっこに負けて名も知らぬ生徒たちに搾り取られる。自分の足で逃げた末に捕まったのだという事実が、貴方の免罪符をずいぶん分厚くしてくれるでしょう。
今夜の貴方には『
【約4時間/吐息感じる両耳密着口撃☆】平凡な日常にスパイス(サキュバス)を♪』を宛がいます。自分にしか見えない姉妹に夢から外出先まで付きまとわれ、声も出せない場所で寸止めを重ねられる。逃げ道が一本もないと知った時の貴方の顔——ええ、それを見たいだけなのです、私は。